先回の野生万年青の生息環境まとめ
- 瀬戸内気候(年平均15℃)
- 風通しがよい、標高200~500m 山間部、谷の斜面
- 木陰である
- 水ぎれが良い土壌、山裾の砕けた砂岩層に落ち葉が堆積
こんにちは、鋳物たんぞうです。万年青にご興味を持たれてる方へ、他サイトでは取り扱いの少ない野生の万年青の生育環境についてシェアしたく本記事を作成しました。今回は万年青を育てる際、最も肝心な用土に関して野生環境下での土壌、根回りの紹介よりご参考にして頂けると幸いです。また、場所の詳細に関しては地元の方々、自然の生育環境への配慮より控えさせて頂きます。
予備知識/万年青の構成
万年青はその美しさ、葉芸より①葉に着目されがちですが、地中にはその常緑の葉の源となる②芋が存在します。また、生育環境により芋の形状は様々で想像よりも大きい印象です。③根から吸い上げた水分、養分をもとに、①葉の光合成より生存に必要な物質を作り出し、②芋に蓄積してるイメージです。この構成より日陰かつ肥沃ではない土壌に適した植物として生息しております。この地中の芋、根の存在を認識し適した環境を整える意識が万年青の育成には不可欠です。下記にて野生の万年青の根回りをご紹介致します。
野生万年青の根回り
青々(緑々)と成長した野生万年青の株の根回りへ接写していきます。立派に成長した株の生育環境は参考になるはずです。
万年青の個体を木と呼ぶことは万年青の芋を木の幹と見立てての呼称でしょうか、野生の万年青の根回りを観察するとそのような印象を持ちました。この群生地の芋は地中へ向かって成長するのではなく、地表に張り付いており全て横向きでした。すなわち適度に外気に触れることが好ましい環境です。そして水のやりすぎによる多湿かつ腐葉土に塞がれた環境は避ける必要性、また万年青の鉢の表層部に水苔、富士砂を敷き詰めることは落ち葉の代役であることが理解できます。
芋丸出し
万年青の群生地が斜面であることより、落ち葉が堆積せずに下記のような芋丸出し状態でも生育しております。根がロープのような役割を果たし岩場、砂利に芋がしっかりと固定されております。大木の幹に根を張り付ける風蘭のようです。
野生万年青の根回りまとめ
- 砕けた砂岩層の岩石、砂利の隙間が腐葉土でその上に芋が横たわる
- 芋は砂利、落ち葉で覆われている、芋丸出し状態もあり
- 根は岩石、砂利の間の腐葉土へ延び芋を固定する役割もあり
- 水ぎれが良い土壌、芋は外気を好む
野生の万年青群生地の岩石
岩石、砂利の隙間に堆積した落ち葉、枯れ枝がやがて万年青の腐葉土になる土壌。主体は水はけの良い砂岩の砂利で万年青の用土が、ひゅうが土、赤玉土、砂利、軽石が好まれる理由が理解できます。下記、野生万年青の群生地の岩石、砂利画像です、万年青の用土にご参考下さい。
いかがでしょうか、今回は野生万年青の根回り、土壌環境についてご紹介いたしました。私は全く予備知識がなく購入した万年青にて、観葉植物用の腐葉土に植え替え水やりは少な目にしましたが見事に枯らしました。野生の万年青の環境を観察すると、いかにNG行為であったか理解できます。万年青を育てる用土のご参考になれば幸いです。
ご拝読ありがとうございました。