こんにちは、たんぞう鋳物です。本記事は万年青を育ててみようとご興味のある方に、そもそも万年青はどの様な環境で自生しているのかご紹介したく作成致しました。実際、私は何の予備知識もないままホームセンターにて、その深緑の葉の美しさに惹かれ万年青を購入しましたが、見事に半年で枯らしてしまいました。ポトスのような観葉植物と同じように扱ってしまった事が要因です。植物とは言え生き物です、また贈呈用の花とは違い長く付き合える古典園芸品種です。まずは野生の万年青の特性を知りどのような環境で共生できるのかご参考になれば幸いです。
万年青の概要
- 古典園芸の代名詞、豊富な品種
- 徳川家康が江戸城に持ち込んだ縁起物
- 日陰を好む常緑多年草、そだてやすい
- 多肉植物的な要素あり
- 腐葉土は使わないので虫が付きにくい
万年青の詳細スペックは様々なサイトで確認できます。みんなの趣味の園芸サイトこちらをご確認下さい。本記事では情報量の少ない野生の万年青の環境についてご紹介いたします。また、場所の詳細に関しては地元の方々、自然の生育環境への配慮より控えさせて頂きます。
野生の万年青(近景)
野生の万年青(遠景)
今回の万年青の自生環境まとめ
- 瀬戸内気候(年平均15℃)
- 風通しがよい、標高200~500m 山間部、谷の斜面
- 木陰である
- 水ぎれが良い土壌、山裾の砕けた砂岩層に落ち葉が堆積
万年青の自生地を検索すると、西日本の温暖な低い山の雑木林に自生しているとの記載があります。今回の自生地に関してですが、シダ植物のように山間部一帯に繁殖しているのではなく、ピンポイントで群生しておりました。確認できた自生地は半径200m以内の群生地でした。それは万年青が数多くの胞子や種子を飛ばす繁殖形態ではないことが要因かと推測されます。また、今回の群生地では種子をつけた痕跡の万年青(実親)は確認されず、ほぼ親株からの分離で繁殖している印象でした。実際、親株から分離された一枚葉の小さな株が散見され、風に飛ばされ環境が整うと近くに定着し大きな株に育ち群生地が形成されるサイクルかと想定されます。いずれにしても悠久の時を感じる植物の営みです。
地質に関しては砂岩層が崩れた山裾に落ち葉が積層された土壌で。砂岩の隙間、砂利の上に万年青の芋(本体)が乗っかりそこから根は腐葉土層へ延びて本体が固定、芋本体は落ち葉で覆われており、落ち葉の中から葉が生えている生育状況でした。この花崗岩より軽く、多孔質な砂岩、落ち葉が万年青への適度な水分、養分の源泉ではないかと感じました。
いかがでしょうか、生産者による農園育ちの品種も同じ万年青のDNAです。万年青の生育には日陰、水はけが重要である事が野生の万年青の生態より認識が深まれば幸いです。
ご拝読ありがとうございました。