みなさんこんにちは、鋳物たんぞうです。
日々、万年青を観察していると様々なことに気づきます。植物に限らず、対象をその特性(figure)、環境(ground)の双方向からとらえて状況を把握する事は有益です。
事実の確認が不可能な情報に振り回され妄想だけが増大してゆく時間の経過より、実際に生きている対象から得られる情報、体験こそが思慮深い行動、その結果へとつながってゆくのではないでしょうか。
万年青が教えてくれる若さとは
植物と聞くと、種をまく、新芽が出る、花が咲き、実をつけ、葉が落ちる等の夏休みのアサガオ観察のイメージが強いかもしれません。
私が育成する万年青の葉は常に緑、全ての株が花、実をつけるのではなく、繁殖の方法は主に地中の球根のような芋から新芽が出て成長し、やがて分離します。竹の子のようなイメージでしょうか。
興味深いところは新芽だからと言って、種から芽吹いた新芽ではないということです。すでに親株の芋は様々な環境をしのぎ生存してきた経験をもち、そこから新たな可能性を新芽に託しているように見えます。ただ単に新芽イコール種子から新たな生命の萌芽という図式ではないのです。ではこの万年青の営みをどのようにとらえましょうか。
自分自身の新芽を探ろう
人間で言う新芽の状況は10代20代でしょうか、たしかに若さという期待値は一般的に絶大です。しかしながら、それだけではないという事を万年青の営みが教えてくれます。経験を積んだ人間には新たな新芽がどこかに準備されており、どのような環境で芽吹くのかその可能性を決して放棄しないのです。
自分自身のどこかにこれまでの経験から備わっている新芽を探り、次の展開へとつなげる。そんな事を万年青は教えてくれているようです。万年青の芋の新芽のように落ち葉の下、地中に埋もれているかもしれません、可能性を放棄せず準備されている私たち自身の新芽に光を当ててみませんか。
万年青のある風景/異例の積雪/生存競争
先回投稿致しました、マンション植栽での万年青の続報です。花壇の生息場所をめぐり多肉植物?(品種不明)と常緑種同志の生存競争が展開されているようでした。1月に異例の寒波と積雪により状況の変化がありましたので投稿致します。
先回までの状態/常緑種同志の生存競争
異例の積雪
マイナスの気温では多肉植物の葉の水分が凍結し、組織が破壊されてしまったのでしょうか、突然の環境変化に全株しおれております。万年青は現状、変化はありません。どの様にしのいだのか、ある一定の気温以下では組織内の水分の成分濃度を上げ凍結を回避させたのか。どうやら冬の陣は万年青に軍配が上がりそうです。
万年青のある風景にて一句
新株万年青、ツンツン頭の“パンク”を見て一句です。お付き合いください。
万年青は根、芋が生きている限り、我々は心臓が動く限り新芽の萌芽への試みを止めることはないようです。その営みから芽吹いた新株万年青“パンク”の尖った若葉は想定外の積雪さえも突き破る。
ご拝読ありがとうございました。