みなさまこんにちは、鋳物たんぞうです。
キンモクセイの香りの余韻と、どこから飛んでくるのかカメムシの刺激臭と年末への緊張感がなにかと
滑稽でもある晩秋に、万年青の実も緑から橙色そして赤色に色づきます。
そうそう、カメムシと言えばクラスの素敵なあの子の肩にもくっついていたり(その日のあだ名が“カメマ”)。
電車の窓ガラスにくっつきかなりのスピードまで振り落とされないエアロボディー(脚一本で踏ん張る)
そして、空いた車窓の隙間から侵入するかもしれない緊張感(座っている素敵な紳士、淑女のガラス越しにカメムシ)
山も川もない都市に一体なぜカメムシは紛れ込むのか(刺激臭と珍妙な外観を伴い)
そう、ふさわしくないなと勝手に私が感じる事も自然界では発生する事象なのですね。
同様に都心は成功した企業や人々のオフィス、タワーマンションが連立する場所ではなく
車も入れない路地の一角も未だに存在します。
中世から変わらない地図のような一角で、古井戸の脇の万年青の実が今年も色づきます。
そんな不思議な都市の片隅で80代の一人暮らしの女性にお会いしました。
都会の喧騒、開発、いつの時代も国際化、グローバルなど毎年激動、激動って騒ぐが
おまえ自身が動かなければなにも激動してないぞと、こちらが恥ずかしくなるような変わらない生活を
営むその女性の言葉が印象的でした。
「いまが一番幸せ」
誰に気を遣う必要もなく、食べたいときに食べる、寝たいときに寝る
必要最低限の日常を自分のペースで営んでいく
旦那のお世話、子供への終わることない心配などを経てそこへたどり着いたのかもしれません。
飾らない雰囲気と丁寧な応対を心がければ、必ず周りは力になってくれる
誰も奪おうとはしない そもそもそんなに持っていないのだから
期待値と違う結果になっても他者に攻撃的にならず受け入れる
それが幸せと感じる自分自身に着地するのかもしれません。
老後の一人暮らしがその人にとってふさわしいのかふさわしくないのか
恐れる必要があるのだろうか
気が向いて外に出れば、古井戸の隣には今年も万年青の実が色づいてますね
万年青は裏路地でも次の世代へ可能性をつなぎますよ